最近では、建物の1階に車を収納するタイプの家も多く見られます。
新築で注文住宅を建てるとき、どちらが最適なのか選択に迷うところです。
今回は、カーポートとガレージの違いや、それぞれのメリット・デメリット、後悔しない選び方についてくわしく解説します。
ガレージやカーポートを取り入れた実際の施工例も紹介しますので、ぜひ家づくりの参考にしてみてください。
ガレージとカーポートの違いは?
ガレージとカーポートは、構造や設置にかかる費用などが違います。名称 | 構成 | 設置費用の相場 |
---|---|---|
ガレージ | 3屋根と3方向以上の壁 | 車1台用:210万~230万円ほど 車2台用:320万~350万円ほど |
カーポート | 屋根と柱だけ | 車1台用:40万~60万円ほど 車2台用:70万~90万円ほど |
くわしく見ていきましょう。
ガレージとは?
ガレージとは、屋根と3方向以上の壁で囲まれた車庫です。
車の出入り口にシャッターを設置すれば全面を囲えるので、雨風を防ぎやすく、防犯性を強化できるのが特長です。
ガレージには単独で建てられる「独立型」と、建物の1階部分に組み込まれる「ビルトインガレージ型」の2種類があります。
独立型ガレージを設置する費用の相場は、工事費を含めて車1台用で210万~230万円ほど、車2台用で320万~350万円ほどで、工期は4週間ほどです。
基礎と屋根があり、3方向を壁に囲まれているガレージは、家屋としての要件を満たしているため、固定資産税の課税対象となります。
カーポートとは?
カーポートとは、屋根と柱だけで構成された駐車スペースです。
壁がない分、設置が簡単で、一般的には1~7日程度で取りつけられます。
設置費用の相場は、工事費を含めて車1台用で40万~60万円ほど、車2台用で70万~90万円ほどと、ガレージよりコストを抑えられます。
基本的に、固定資産税はかかりません。
それぞれのメリット・デメリットもチェック
ガレージとカーポートのメリット・デメリットは、次のとおりです。ガレージ | カーポート | |
---|---|---|
メリット | ● 雨風にさらされない ● さまざまな用途がある ● 防犯性を強化できる |
● コストが安い ● 敷地に合わせて取りつけられる ● 工期が短い |
デメリット | ● コストが高い ● 排ガスがこもりやすい |
● 横からの雨や風の影響を受けやすい ● 防犯性が低い |
順に見ていきましょう。
ガレージのメリット
ガレージを設置するメリットについて解説します。雨風にさらされない
屋根と壁に囲まれているガレージは、雨や雪、風から車を守れます。シャッターのあるガレージなら、台風などの強風で飛来物があっても車が傷つけられる心配もありません。
建物の1階に設置するビルトインガレージは、車と家を行き来する際、雨にぬれたり傘を差したりせずに済みます。
さまざまな用途がある
ガレージは車庫としてだけでなく、さまざまな用途に使えます。
DIYなどの趣味を楽しんだり家族でバーベキューをしたりと、天候の影響を受けないマルチスペースとして活用できます。
車のメンテナンス用品の収納や一時的なゴミの保管など、多目的に使えるでしょう。
防犯性を強化できる
シャッターで4方面を囲えば、外部からの侵入を防げるため、車の盗難やいたずらのリスクを削減できます。
シースルータイプのシャッターは物を投げ入れられる可能性がありますが、すき間がない板状の部材で構成されたスラットタイプであれば、防犯性を格段に強化できるでしょう。
ガレージのデメリット
ガレージのデメリットについて解説します。コストが高い
ガレージは、カーポートよりコストがかかる点がデメリットです。基礎工事が必要であり、工程や使用する資材も多いため、設置費用が高くなります。
独立型のガレージを取りつける際は、個別に建築確認申請をする必要があり、申請費用もかかります。
申請費用は自治体や床面積によって異なりますが、施工業者などに代行してもらう場合、8万〜20万円ほどです。
ガレージは固定資産税の課税対象であるため、長期的な支出も見積もっておく必要があります。
排ガスがこもりやすい
屋根と壁で覆われるガレージは、車の排ガスがこもりやすくなります。特に、冬場にシャッターを閉め切ったままエンジンや車内を暖める暖機運転をする際は危険です。
車の排ガスには人体に悪影響をおよぼすおそれがあるので、エンジンをかける前にシャッターを開けたり、換気システムを取りつけたりするなどの対策が欠かせません。
カーポートのメリット
カーポートのメリットについて解説します。コストが安い
カーポートは、低コストで取りつけられます。
デザイン性や機能性の高いタイプは相場より高くなるケースもありますが、ガレージよりは費用を抑えやすいのが特長です。
屋根と柱のみで壁がないので、基本的に固定資産税はかかりません。
ガレージよりも、トータルコストを抑えられるでしょう。
敷地に合わせて取りつけられる
カーポートは、敷地の形や外構の状況に合わせて取りつけられます。ガレージよりも省スペースで設置できる点も魅力です。
車の出入りがしやすい位置に調節したり、外観を悪くさせないようバランスを取ったりと、細かい調節も可能です。
片流れタイプであれば、柱は片側のみで車の出入りや扉の開閉がしやすくなります。
工期が短い
カーポートの工期は、設置する場所やカーポートのサイズなどによって異なりますが、1~7日ほどであるのが一般的です。車1台用なら、1~3日程度で完了します。
工期が4週間程度かかるガレージと比較すると、短期間で設置できます。
カーポートのデメリット
カーポートのデメリットは、次のとおりです。横からの雨や風の影響を受けやすい
カーポートには壁がないため、横から入り込む雨や風は防げません。横から入る雨や土ぼこりがつきやすく、ガレージよりも車体は汚れやすいでしょう。
風の影響を受けやすい構造であるカーポートは、対策が不十分だと、強風で支柱が曲がったり屋根材がはがれたりする可能性があります。
風の影響を軽減させるには、耐風圧タイプのカーポートを選んだり、サポート柱や屋根材ホルダーなどの補強材を設置したりするなどの対策があります。
防犯性が低い
壁のないカーポートは、ガレージほどの防犯性はありません。
誰でも車に近づけるので、いたずらや盗難に遭うリスクはガレージよりも高くなります。
防犯性を高めるには、カーポートの出入り口にシャッターゲートやカーゲートを設けたり、防犯カメラを設置したりするなどの方法が有効です。
ガレージの使用が向いている人の特徴
ガレージとカーポートのメリット・デメリットを確認したところで、どちらの使用が適しているのか見ていきましょう。ガレージの使用が向いている人の特徴は、次の4つです。
● 防犯性を重視したい
● 雨風から確実に車を守りたい
● 洗車の手間を減らしたい
● 室内空間を設けたい
それぞれ順に解説します。
防犯性を重視したい
防犯性を強化して、不審者から車を守りたいと考えるならガレージがおすすめです。シャッターを設ければ、簡単には侵入できません。
盗難やいたずらのリスクを下げたい場合は、シャッター付きのガレージが最適です。
雨風から確実に車を守りたい
雨や風、雪、紫外線などを完全に遮断するには、ガレージが向いています。カーポートは壁がないため、横からの風雨を防げません。
台風などの風の強い日は飛来物によって車が傷ついたり、海の近くでは塩害によってサビが発生したりして、劣化を早めてしまうおそれもあります。
確実に車を保護したいと考える人は、ガレージで外部からの影響を遮断するのがよいでしょう。
洗車の手間を減らしたい
ガレージに保管すれば、横からの雨や土ぼこり、鳥のフンなどで車が汚れにくくなるため、頻繁に洗車する手間がなくなります。洗車の時間を削減できるほか、洗車による細かい傷がつくリスクも減らせます。
洗車が面倒でできるだけ手間を減らしたい人は、カーポートより車が汚れにくいガレージのほうが向いているでしょう。
室内空間を設けたい
ガレージは車のメンテナンスやDIY、子どもの遊び場など、さまざまな用途に使えるスペースです。屋根と壁があるので、天候の影響を受けたり、外からの視線を気にしたりせずにプライベートな空間を楽しめます。
プラスアルファの室内空間を設けたい場合は、ガレージがあれば有効に活用できるでしょう。
カーポートの使用が向いている人の特徴
カーポートの使用が向いている人の特徴は、次の3つです。● 豊富なデザインから選びたい
● メンテナンスを楽に済ませたい
● ライフステージに合わせて設置・撤去したい
それぞれ解説します。
豊富なデザインから選びたい
カーポートは多彩なデザインが販売されており、家の外観のテイストに合ったタイプを選べます。スタイリッシュなタイプや木目調の落ち着いたタイプなど豊富な選択肢があるため、家全体の外観にこだわりたいときは、さまざまなデザインがあるカーポートが最適です。
メンテナンスを楽に済ませたい
カーポートは、メンテナンスに手間がかかりません。屋根についた土ぼこりの汚れや落ち葉などを取り除いたり、雨どいの泥を除去したりする作業で済むので、負担は少なめです。
一方、壁で囲まれているガレージは床にほこりがたまりやすいため、ほうきで床を掃いてきれいにする手間がかかります。
定期的なシャッターの手入れも必要です。
メンテナンスや掃除の手間をできるだけ減らしたいなら、カーポートのほうが向いているでしょう。
ライフステージに合わせて設置・撤去したい
カーポートはガレージより設置コストが安く、取りつけも省スペースで済むため、状況に応じた設置や増設がしやすいといった特長があります。設置に大がかりな工事がないので、将来的に不要になったときは、半日~1日ほどで簡単に撤去できます。
ライフステージや家族構成の変化にともなって、今後、撤去する可能性がある場合はカーポートのほうが適しているでしょう。
ガレージとカーポート、迷ったらどこを見るべき?
ガレージとカーポート、どちらを選んだらよいか迷ったときは、次のポイントを検討してみましょう。● 費用
● 広さ
● 目的
◆費用
予算をいくらかけられるのか検討しましょう。
一般的には、ガレージよりカーポートのほうが設置費用は抑えられます。
ただし、土地の価格が高く駐車専用の土地を取得するのが難しいケースでは、個別にカーポートを設置するほうが、費用が高くなる可能性もあります。
その場合、建物と一体化したビルトインガレージのほうが全体の費用を抑えられるかもしれません。
新築を建てる際は、トータルコストで比較するのがよいでしょう。
◆広さ
設置スペースをどれくらい確保できるかも判断の材料となります。
壁で囲まれるガレージは、柱だけのカーポートより広いスペースが必要です。
ガレージにもさまざまなサイズがありますが、面積が小さいと設置できるガレージのサイズも限られます。
サイズが小さいガレージでは、車の扉を開閉しづらくなるおそれもあります。
◆目的
どちらを選ぶか検討する際は、具体的な用途や目的も考えましょう。
機能性や利便性のほか、エクステリア全体の外観などを含めて、どのような使い方をしたいのか考えるのがおすすめです。
ジョイフルホームのガレージハウスをご紹介!
ここでは、家とガレージが一体化した「ガレージハウス」を紹介します。建物に組み込まれたタイプのガレージなので、家と車を行き来するときも雨にぬれません。
ジョイフルホームが建てたガレージハウスの施工例を3つ紹介します。
室内からも愛車を眺められるワークスペース付きのガレージハウス
自宅の1階に車を保管するビルトインガレージを設けた家です。
趣味のバイクを保管するガレージ奥の壁には、レーシングスーツやヘルメットなどが飾れるディスプレイスペースもあります。
ガレージ横にはワークスペースが隣接し、友人たちと一緒に作業を楽しんだりバイクを眺めながら話をしたりと、趣味を満喫できる空間が広がります。
玄関の壁はガラス張りで、室内からも愛車を眺められる設計です。
2階は、大きな窓と間接照明が効果的に配されたリラックスできる居住スペースです。
組み込みカーポートタイプのガレージハウス
1階に、車2台分の組み込みカーポートを設置した家です。
カーポートは、セミオープンな空間で、圧迫感がありません。
天井は耐火性や吸音性などに優れた木毛セメント板で仕上げられており、居住スペースと車の距離が近いことによる影響を最小限に抑えています。
駐車スペース奥には扉付きの物置もあり、車用品やアウトドア用品の収納として活用できます。
大きな窓から光が入る2階のLDKは、無垢材をふんだんに使ったダイニングや高級感のあるエコカラットを採用した壁など、デザインのこだわりもつまった空間です。
こちらのモデルハウスの見学は、随時受付中です。
▼山の手2条5丁目モデル
分譲価格:7,590万円
間取り:3LDK
開催日:土日祝日
開催時間:10:00~17:00
会場: 北海道札幌市西区山の手2条5丁目5-26
ご来場のご予約はこちらからお気軽にどうぞ。
カーポートも完備した良いとこ取りのガレージハウス
車1台分のビルトインガレージに加えて、玄関前にカーポートも組み込まれたスタイリッシュな外観が印象的な家です。
ガレージ奥には荷物が置けるロフトも設けられ、収納も充実。
外壁に合った白いシャッターは、防犯性を高めるだけでなく、建物の外観も洗練された印象を与えてくれます。
カーポートは、バイクや自転車が保管できる適度な広さです。
1階奥の南面には、ルーバーで囲まれたテラスもあり、外からの視線を気にせずに青空の下、家族で屋外空間を満喫できます。
こちらのモデルハウスの見学は、随時受付中です。
▼西野3条4丁目モデル
分譲価格:6,180万円
間取り:3LDK
開催日時:完全予約制
会場:北海道札幌市西区西野3条4丁目6番8号
ご来場のご予約はこちらからお気軽にどうぞ。
まとめ
ガレージとカーポートは、構造や設置にかかる費用、機能に違いがあります。ガレージは屋根と壁で囲うため、車を確実に保護できる防犯性の高さが強みです。
住居空間とは別に、多目的に使えるスペースとして幅広い用途があるのも魅力です。
一方、屋根と柱だけで構成されるカーポートは、ガレージより防犯性や耐久性は劣るものの、低コストで設置できて圧迫感がありません。
どちらを選ぶべきか決めるには、予算や設置場所の広さをふまえたうえで、利便性や具体的な用途について検討するのがよいでしょう。
ご相談ならジョイフルホームへ
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